■雑誌かぼちゃ第3号「P.26 実例から児童買春の原因を探ろう」

 
かぼちゃvol.3 P26,27に掲載されているケーススタディについて、あおいメンバーが考察した『児童買春の原因』の一例をご紹介します。
 
■都会への不用意な憧れ
※田舎の地域に暮らす子どもは、都会や先進国の豊かな暮らしに憧れを抱いていますが、充分な知識のないまま都会に出て、騙されたり、生活苦から買春の被害にあってしまうことも少なくありません。
 
■子どもも家族のために働くべき、という社会的慣習
※宗教的、文化的価値観から、カンボジアでは、たとえ子どもであっても家庭や家族のために働くべき、という考えが根強く残っています。安易に出稼ぎに行った先で、買春に巻き込まれてしまう子どもも多いのです。
 
■公教育制度の不備
※カンボジアには、日本と同様、九年間の義務教育期間が設けられていますが、学校や教員の数が少ないこと、親が教育の重要性を充分に認識していないことなどから、学校をドロップアウトしてしまう子どもが後を絶ちません。教育を受けられないことにより、良い職に就けなかったり、買春問題に対する知識が得られないなどの問題が生まれます。
 
■レイプ
※国境付近や田舎などの地域では、治安が悪く、強姦の被害にあう子どもがたくさんいます。
 
■処女信仰
※カンボジアの古くからの慣習の中に、処女信仰が挙げられます。都会などでは、弱まっている考えですが、田舎の地域では、いまだに根強く残っています。婚前交渉を持った女性は、周囲からの差別などから、普通に生活することも困難になってしまうことがあります。
 
■地域権力者の知識不足
※カンボジアでは、地域のコミュニティのつながりが強く、村長やチーフなどと言われる地域権力者が大きな力を持っています。ですが、彼らが充分に児童買春や子どもの権利に対する知識を持っているとは限らず、子どもたちの安全を重視する判断を取れないこともあります。
 
■虐待
※買春の被害にあっていた子どもたちの中には、虐待など家庭内の問題を抱えていた子も多く報告されています。もっとも身近な大人である両親が、子どもたちの安全を管理していない状態では、買春の被害にあう危険も増してしまいます。
 
■貧困
※カンボジアは、東南アジアの中でも、経済発展の遅れている国の一つです。特に農村部の家庭の収入は低く、生活のために子どもたちが働くことは、決して珍しくはありません。しかし、子どもたちが教育を受けられないことや社会に出て働くことが、児童買春に巻き込まれる危険を増幅してしまいます。
 
■NGOなどの手が届かなかった
※カンボジア国内では、多くのNGO・各国機関などが、教育支援や子どもの権利・児童買春問題の啓発、子どもの保護、治安や貧困の改善のための活動を行っています。そういった支援が受けられれば、このケーススタディのページで取り扱ったような事例は起こらなかったかもしれません。
 
 
いかがでしたでしょうか?
ここに挙げられたこと以外にも、様々な細かい要因が絡まり合い、子どもたちは買春に巻き込まれてしまいます。
私たちあおいは、子どもたちに児童買春という問題の危険性を理解してもらうための、啓発・予防を重視して活動していますが、この問題の解決のためには、多くのアプローチが求められています。
このケーススタディに取り組んでくださった皆様が、ご自分なりの、一番の解決策を模索し、そして、カンボジアの子どもたちのために何らかの行動を起こしてくだされば幸いです。
 
⇒雑誌かぼちゃページへ「戻る
 
 

 

inserted by FC2 system